傾聴力こそ訪問看護師に必要な能力
うちのご利用様には様々な方がいます。
基本年配の方が多いです。その中でも昭和初期の方は戦争体験者もおられます。普通に接していても口調の荒い方もおられます。そういう方に接するときに大切なことは「傾聴」です。
私も今回「面接」という中で様々な看護師さんに出会いました。その中で感じていることは、傾聴力があるかどうかです。話を聞いていてそうで聞いてない看護師さんが実は本当に多いということを実感しています。「うんうん」「はい」とか相槌のタイミングは上手なんですが、傾聴しているかどうかは話している側にはすぐにわかります。この人はタイミングだけで相槌をしているなぁ、とか、この人は本当にきちんと聞いてくれているなぁ、とかそれは相手の感じでわかります。でも病棟の看護師さんは忙しいから業務をしながら話を聞くから聞き方は中途半端でも相槌だけはきちんとする習慣がついているんだろうなぁ、と思われる人が多いです。
うちのスタッフさんはきちんと「傾聴」してくれています。人は複数のことを同時にはできません。できていると思っていてもすべて中途半端なんです。だから訪問看護の仕事は目の前のご利用者様に向けてのことだからきちんと一つ一つを丁寧にできます。しかもきちんと傾聴もしっかりできます。この傾聴がきちんとできるか否かがまずは訪問看護の1丁目1番地なんです。
傾聴で大切なことは「イメージ力」です。話し手の内容を自分の頭の中で映像化できるか否かです。傾聴できているかどうかは話し手にはすぐにわかります。傾聴していない相槌は本当に話していてもつまらなく感じます。
昔ながらのいい意味での頑固さをや価値観を持つご利用様も、こちらの傾聴力で印象は大きくかわります。もし先入観で関わる訪問看護師さんがいるならばその方はおそらく最初から壁を作ってご利用者様に関わるかもしれません。こちらが先入観を持って関わると必ず相手に伝わります。そうなるとお互い壁ができてしまいます。昭和初期の価値観をお持ちのご利用様に、平成中期生まれの看護師が関わるわけです。つまり世代間の価値観教育が全く異なる人同士が関わっていくのが訪問看護です。価値観を受け入れるのは看護師の方なので、価値観を受け入れるためにも「傾聴力」は最も大切な能力の一つであることは間違いありませんね。