管理者さんの組織つくり
うちの管理者さんはトップダウンをしません。
必ず対話を重視します。私(川口)が「3~5人をまとめる方法はトップダウンをすべきで、6人以上になるとボトムアップ型に移行しないといけない。」と言っても彼女は絶対に対話を重視します。ある意味でとても頑固なんです。トップダウン型のいいところは早さです。仕事は早さが大切です。でも彼女は早さよりもやる気を重んじます。彼女が言うのは「いっしょにこれからも働いていく仲間です。だからこそ働く人自らが意志を持ち考えて行動していくことで、訪問看護師としての責任が芽生えてきます。ですから対話が大事なんです」と言われます。
しかも、訪問看護は基本一人でお宅にお邪魔します。お邪魔するときのパワーバランスはご利用者様家族になります。その上で自分でもわからないことがあると訪問看護師の判断に支障をきたす場合もあります。ですから、対話を重視することで、聞いてもいいんだ、この人にすぐに聞こう、という安心感も芽生えます。
とある医療機関でのことです。彼女(管理者さん)の後輩がある訪問に行ったときに薬の副作用の件で事前に学習はしていたけれども、万一を考え確認のために依頼元の看護師長さんに連絡したそうです。その時に言われた第一声は「マジか?」らしいです。この言葉を聞いたときに後輩看護師は唖然としたそうです。そのご利用者様は退院した当日の訪問でした。自分は病院からの依頼なので外様なのですが、よその看護師に対してもそういう振る舞いを平気でする看護師さんは必ず自分の部下に対しては威圧的になり、ミスを誘発してしまうと確信したそうです。
ミスを防ぐ方法は①責任感 自分がこの患者さんを担当している責任。②いつでも聞いてもいいという安心感 こんなことを聞いても大丈夫なのか?という内容でも聞けるような体制。
医療現場で大切なことはこの2点だと彼女は言います。だからこそトップダウン方式は②を躊躇させるんです、とのことです。この2つはセットです。①が欠ければ依存型になってしまい訪問看護の体をなしません。責任と安心を両方兼ね備える方法は対話です。きちんと議論しやすい環境を作ることです。
彼女の組織つくりの一丁目一番地は「ボトムアップ型」です。